テーマ:脳卒中に学ぶ Learn from Stroke

会長挨拶

第33回スパズム・シンポジウム
会長 森 健太郎
(防衛医科大学校 脳神経外科学講座)

会長:森健太郎

第33回スパズム・シンポジウムを2017年3月16日(木)、大阪国際会議場で開催させていただきます。今回STROKE2017の共通テーマは「脳卒中に学ぶ」であります。くも膜下出血患者を治療する日本の脳神経外科医の特徴は、単に手術を行うだけでなく、自ら責任をもって術後の患者管理も行うことです。自分自身が破裂脳動脈瘤の手術を行い元気であった患者が数日後にスパズムのために重い機能的障害を来すという悲劇を見たことがスパズム治療予防法の研究開発の原動力になったものと思います。まさしく、「脳卒中(スパズム)に学ぶ」であります。

さて、第25回スパズム・シンポジウムにて鈴木倫保会長はスパズム診断の標準化を行われ、混乱していた症候性脳血管攣縮(DIND)の定義を明確化されました(Consensus 2009)。しかしながらその後は、endothelin 受容体阻害剤であるclazosentanが脳血管攣縮を予防し得たのに患者予後には効果がなかったという結果が、「angiographic vasospasm = DIND」という脳血管攣縮のセントラルドグマを揺らがせる状況となりました。Early brain injuryやspreading ischemiaなどの新しい概念も導入されており、まさに最近のスパズムの臨床と研究は昏迷状況にあると言えます。そこで第33回スパズム・シンポジウムのテーマを「混迷する脳血管攣縮の臨床と研究・今後の展望」といたしました。混乱しているときには原点に戻ることが良策と考えておりますので、ランチョンセミナーには脳循環代謝学の代表的研究者である慶応義塾大学神経内科の高橋愼一先生と大阪市立大学神経内科の伊藤義彰先生のお二人に脳血管攣縮に関係する脳循環代謝についてお話ししていただく予定です。一方、スパズム研究や臨床に役立つ3つのスポンサードレクチャーを用意しました。防衛医科大学校循環器内科の足立健先生には冠動脈スパズムのお話しを、日本医科大学細胞生物分野の太田成男先生には分子水素のお話しを、禎心会病院脳神経外科の谷川緑野先生にはスパズム予防のための脳動脈瘤手術のお話しをお願いしております。また今回の学会ではスパズムの基礎研究と臨床研究のそれぞれのエキスパートの先生方を指定させていただき研究や治療の現状と今後の展望について討論していただき、何らかの形で「スパズム治療の方向性」について明らかにできたらと思っております。

今学会の特徴といたしまして、各領域のエキスパートの先生方の指定演題とともに基礎および臨床における萌芽的研究についてのセッションも設けました。「混迷する脳血管攣縮の臨床と研究・今後の展望」という今回のテーマにふさわしいプログラムを作成いたしましたので、ご参加いただく先生方の今後の参考になるようなシンポジウムとなることを期待しております。

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